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基本情報
発売予定時期 | 2000年 (平成12年) |
発売中止発表日 | 2000年 (平成12年) 8月22日 |
キャッチコピー | マザーを通して、家族の絆を考えてみる。 |
発売・販売元 | 任天堂 |
開発 | 糸井重里、岩田聡、青木俊直、HAL研究所など |
対応機種 | NINTENDO64 |
ジャンル | ロールプレイングゲーム |
監修 | 糸井重里 |
音楽 | 酒井省吾 |
メインアートディレクター | 伊藤紅丸 |
容量 | 未定(256Mbit?) |
型番 | 未定 |
予定価格 | 6,800円 (税別) |
振動パック | 対応 |
MOTHER3 キマイラの森 / 奇怪生物の森
状況 | スーパーファミコンで開発開始後、NINTENDO64および64DDに移行 1999年夏、NINTENDO64に移行 |
開発 | 糸井重里、HAL研究所など |
対応機種 | 64DD(ニンテンドウ64ディスクドライブ) |
ジャンル | ロールプレイングゲーム |
監修 | 糸井重里 |
特徴
マザーを通じて、家族の絆を考えてみる
主人公はフリント、リュカ、クラウス、ボニーなど、前作の倍以上。
12章立ての物語が展開され、章ごとに主人公が異なるなど様々な新しい試みが盛り込まれ、初の三次元グラフィック化も実現しています。
2000年8月22日に開発中止が発表されましたが、このMOTHER3 豚王の最期で盛り込まれたキャラクターや様々な試みの一部は2006年4月20日に発売されるMOTHER3に引き継がれています。
章立ての壮大なシナリオ
MOTHER3 豚王の最期のシナリオは全12章からなる壮大なシナリオとなっており、さらに各章でプレイする主人公が異なっています。
それぞれの主人公から同じイベントをプレイすることや、別の主人公の展開をいまプレイしている主人公から眺めることもあります。
さらに今回の冒険は、シナリオが進行するにつれて時間も経過する形になっており、主人公もそれぞれ時間の経過によって成長していくとのことです。
またエンディングは、泣かせきる、悲しみを超えたものになっているそうです。
MOTHER2からのキャラクターでは、どせいさんが登場するとか。
超能力じゃなくてマホウ?音が重要な戦闘システム
MOTHER3 豚王の最期の戦闘システムは、音が重要な要素となっています。
音楽のタイミングに合わせてボタンを押したり、コントローラーを楽器のように操作したりすることで敵に大きなダメージを与えることができるようです。
また戦闘画面に突入する前にも、敵を転ばせてから戦闘に入ると有利に戦えるようです。
さらに今回は超能力 (PSI) ではなく「マホウ」を使います。
マホウの使用可能回数はエナジーによって決まっているそうです。
発売中止
「キマイラの森」「奇怪生物の森」…度重なる方針転換と開発の長期化
当初MOTHER3 豚王の最期はスーパーファミコン用ソフトとして開発がスタートしたのち、1997年に64DD専用ソフト第一弾「MOTHER3 キマイラの森」として発表されました。
その後タイトルが「MOTHER3 奇怪生物の森」に変更されましたが、64DDソフトの開発遅れおよび64DD自体の発売も遅れに遅れたことから、1999年夏にNINTENDO64カセットでの発売に変更になりました。
そして同年に開催された「任天堂スペースワールド’99」にて「MOTHER3 豚王の最期」として初めてプレイ可能な状態で公開されました。
64DDの遅れに翻弄され、開発も困難を極めたMOTHER3 豚王の最期。
任天堂スペースワールド’99では「2000年5月発売予定」と告知され、ようやくプレイできる形にまで至ったMOTHER3 豚王の最期。
しかしこれからわずかな期間を経てMOTHER3 豚王の最期の発売中止が決定するとは、当時は誰もが、想像しなかったに違いないでしょう。
言葉にできない悲しさ…開発中断
2000年8月22日。
MOTHERファンの皆さんには決して忘れられない「MOTHER3ショック」が走った日。
糸井重里氏の運営するサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」上で、MOTHER3 豚王の最期の開発中止 (後に開発中止ではなく正確には「開発中断」だったことが判明) がファンの皆さんに向けて発表されました。
これは糸井氏、宮本茂氏、現在の任天堂岩田社長が対談する形式で明かされ、開発続行が困難になったこと、ファンの皆さんに申し訳ない気持ちでいっぱいなことなどが語られました。
この発表の衝撃は、非常に大きなものとなりました。
各ファンサイト様の掲示板全てがファンの皆さんの悲鳴で溢れ返り、言葉にし難い悲しみでいっぱいになる光景が広がっていました。
このMOTHER Partyの管理者も、体から魂が抜けるかのような衝撃を受け、正気を取り戻すのに時間がかかった覚えがあります。
当時の出来事は、今も、そしてこれからも、決して忘れることはないでしょう。
その衝撃の大きさと当時のファンの皆さんの悲しみは、その後「ファミ通.com」で実施された企画「『MOTHER3』の話をしよう」で垣間見ることができます。
「糸井重里さんと、岩田聡さんと、宮本茂さんの3人が協力しても、創るということをあきらめなければならない状況というものが存在しうるということに驚いてしまった。」
「そういった、いまの日本で理想的なもの創りをしていると僕が (軽い気持ちで) 考えていた人たちが、それをあきらめてしまう状況があるのだということが少なからずショックだった。そして、再び立ち戻ると、そういった人たちが『MOTHER3』を創ることをやめましたと口にするのだからこそ、本当にもう『MOTHER3』は出ないのだと思う。」
「経営者の頭が固いとか、お役所とか倫理機関がそれを許さないとかいうのなら、僕は署名運動だってなんだってするだろう。しかし、『MOTHER3』の開発をやめると言っているのは、宮本茂と、岩田聡と、糸井重里なのだ。」
これは前述の企画を立ち上げたファミ通編集部・永田泰大氏のコメントの一部ですが、ゲーム業界のスピルバーグ、天才プログラマー、一流コピーライターという、世界最高のドリームチームが開発を断念する決断をせざるを得なかったことの重みが、いかにMOTHER3 豚王の最期の構想が実現困難な域にまで達していたかを物語っているようです。
一連の発表を受けた衝撃は収まることなく、翌日にはMOTHER3 豚王の最期の開発再開を求める様々な企画が立ち上がりました。 (MOTHER3復活希望企画の詳細はMOTHER3のファン活動の欄をご覧下さい)
主なキャラクター
フリント | リュカとクラウスの父親で、第一章の主人公。 森と村、そして家族を守るために立ち上がる。 |
リュカ | フリントの息子で主人公の一人。クラウスとは双子で、違いは髪の色。 名前はアゴタ・クリストフ著「悪童日記」の主人公兄弟からのオマージュ。 |
クラウス | フリントの息子。リュカとは双子で、違いは髪の色。 物語が進むにつれて、リュカとは逆のダークな方向に進むことになるとか。 名前はアゴタ・クリストフ著「悪童日記」の主人公兄弟からのオマージュ。 |
ボニー | フリント家の愛犬。 |
ダスター | 主人公の一人。 |
サルサ | 主人公の一人。 |
クマトラ | 主要キャラクターの一人。 |
デスペラード・クラシュ・マンボ・カンボ (D・C・M・C) | ゲーム中に登場するバンドチーム。 |
どせいさん | あのどせいさんです。 |
ポーキー | あのポーキーです。豚王とは彼のこと? |
ドラゴ | 本作に登場する恐竜。シナリオに深く関わってくるとか。 |
アンドーナッツ博士 | あのアンドーナッツ博士です。 |
発売中止までの動き
1994年 (平成6年) | スーパーファミコン用ソフトとして開発がスタート。 |
1995年 (平成7年) 6月 | 糸井重里さんがHAL研究所の取締役に就任。 |
1996年 (平成8年) 11月 | 任天堂、任天堂スペースワールド’96 (第8回初心会ソフト展示会) に64DD対応ソフト「MOTHER3 (仮称)」を映像出展。 |
1997年 (平成9年) 11月 | 任天堂 、任天堂スペースワールド’97に「MOTHER3 キマイラの森」を映像出展。 後にタイトルを「MOTHER3 奇怪生物の森」に変更。 |
1999年 (平成11年) 春 | MOTHER3プロデューサーの岩田聡氏がドルフィン (後のゲームキューブ) 完成のため日米を往復する日々が始まる。 多忙を極め、5月にハル研究所社長を退任。 |
1999年 (平成11年) 夏 | 任天堂 、MOTHER3 奇怪生物の森の対応機種を64DDからNINTENDO64に変更。 任天堂 「MOTHER3 豚王の最期」を発表。 三次元グラフィックス化、十二章立てのシナリオ、振動パック対応、2000年5月発売予定、価格6,800円と発表される。 任天堂スペースワールド99」にプレイアブル出典 (プレイ可能な状態での出展) が実現。 |
2000年 (平成12年) 8月22日 | MOTHER3 豚王の最期の発売中止・開発中断を発表。 |
任天堂